推し、燃ゆ あらすじ

芥川賞

『推し、燃ゆ』あらすじと感想|第164回芥川賞受賞・世界的ベストセラーをAudibleナレーター玉城ティナさんの朗読で聴く

著者:宇佐見りん/ナレーター:玉城ティナ/出版社:河出書房新社(Audible版:Audible Studios)

こんにちは、ひよりです。今回ご紹介するのは、宇佐見りんさんの『推し、燃ゆ』。
21歳の若さで第164回芥川賞を受賞し、全世界で80万部を突破した大河出書房新社(Audibleです。
「推し」に人生を懸ける少女の切実な姿に、休憩中に聴いていたつもりが、思わず聴き入ってしまう時間が続きました。
女優・モデルとして活躍する玉城ティナさんの朗読とあわせて、じっくりレビューしていきます。

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推し、燃ゆ

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『推し、燃ゆ』のあらすじ

「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」——衝撃的な一文から、物語は幕を開けます。高校生の主人公・あかりにとって、アイドルグループ「まざま座」のメンバー・上野真幸を推すことは、生活の中心であり、生きる支えそのものでした。学校生活にも家庭にもうまく馴染めず、日々を生きるだけで精一杯なあかりにとって、推しを「解釈」し、応援することだけが、自分を保つための拠りどころだったのです。

ところがある日、その推しがファンを殴って炎上してしまいます。世間から糾弾され、少しずつ活動の場を失っていく推し。あかりは自身のブログやSNSで推しを解釈し続け、彼を推すことに全身全霊を注いでいきますが、現実の生活は次第に立ち行かなくなっていきます。「逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ」——推すことでしか自分を保てないあかりの姿を通して、現代を生きる若者の切実な生きづらさと、「推す」という行為の意味が鮮烈に描き出されていきます。

本作は、デビュー作『かか』で三島由紀夫賞を史上最年少受賞した宇佐見りんさんの第二作。21歳での第164回芥川賞受賞は、綿矢りささん、金原ひとみさんに次ぐ史上3番目の若さでの受賞となりました。2021年本屋大賞にもノミネートされ、「TikTok世代のキャッチャー・イン・ザ・ライ」と英国の書評誌が評すなど、世界的にも大きな反響を呼んだ一冊です。

ひよりの感想

正直に言うと、「推し」をテーマにした作品と聞いて、もっと軽やかな話を想像していました。ですが実際に聴いてみると、あかりが抱える生きづらさの描写が想像以上に切実で、休憩中に聴いていたのに、途中で手を止めて彼女の心情に思いを馳せてしまう瞬間が何度もありました。

印象的だったのは、あかりにとって推しが「背骨」だと表現されている点です。単なる趣味や娯楽ではなく、それがなければ立っていられないほど切実な支えとして「推し」が描かれていて、推し活文化の光と影の両面を鮮やかに突いていると感じました。自分の体すらうまく動かせないあかりが、推しを推すときだけは生き生きとする——その対比が、読んでいて(聴いていて)胸に迫ります。

宇佐見さんの言葉の選び方は本当に見事で、あかりの内面のざらついた感覚や、うまくいかない日常の質感が、独特の比喩を通してリアルに伝わってきます。読後感は決して明るいものではありませんが、現代を生きる誰もが心のどこかに抱える「寄る辺なさ」を、これほど切実に描き出した作品はなかなかないと感じました。160ページほどとコンパクトながら、深く心に残る一冊です。

ながら読書ポイント

160ページほどとコンパクトな作品なので、休憩中や移動中でも聴き切りやすい長さです。独特な言葉の感覚をじっくり味わいたい方は、静かな環境で集中して聴くのもおすすめです。

著者・宇佐見りんさんのプロフィール

生年 1999年生まれ
出身 静岡県
デビュー 2019年『かか』で第56回文藝賞を受賞しデビュー
主な受賞歴 第33回三島由紀夫賞(『かか』/史上最年少受賞)/第164回芥川龍之介賞(『推し、燃ゆ』)
主な作品 『かか』『推し、燃ゆ』『くるまの娘』など

宇佐見りんさんは、静岡県出身の作家です。2019年、20歳のときに『かか』で文藝賞を受賞してデビューすると、翌年、同作でデビュー作にして史上最年少で三島由紀夫賞を受賞。そして第二作『推し、燃ゆ』で、21歳という若さで芥川賞を受賞し、一躍時代の寵児となりました。

宇佐見さんの作品は、現代の若者が抱える生きづらさや、家族との関係の中で生まれる感情を、独特の言語感覚で鋭く描き出す点に大きな特徴があります。『推し、燃ゆ』では、「推し活」という現代ならではの文化を切り口にしながら、寄る辺なき実存という普遍的なテーマに迫りました。若い世代ならではの鋭い視点と、それを支える確かな筆力が、多くの読者と選考委員から絶賛されています。

ナレーター・玉城ティナさんのプロフィール

生年月日 1997年10月8日
出身 沖縄県浦添市
所属事務所 Dine and indy
趣味・特技 趣味は旅・読書・カメラ/特技は習字・英会話・絵を描くこと

玉城ティナさんは、ファッション雑誌『ViVi』の元専属モデルとして知られ、女優としても数多くの映画・ドラマで活躍する沖縄県出身のアーティストです。映画『Diner ダイナー』『惡の華』でのヒロイン役が評価され報知映画賞新人賞を受賞するなど、確かな演技力にも定評があります。アニメ映画『竜とそばかすの姫』では声優にも初挑戦しました。

読書を趣味に挙げる玉城さんは、主人公あかりと近い世代の感性を持つ表現者。あかりが抱える生きづらさや、推しへの切実な思いを、飾らない等身大の声で丁寧に読み上げており、同世代ならではのリアリティが本作の朗読に深い説得力を与えています。あかりの内面に静かに寄り添うような朗読が、物語の切なさを一層引き立てています。

よくある質問

Q. 『推し、燃ゆ』はどんな作品ですか?

アイドルを推すことを生きる支えにしている高校生・あかりが、推しの炎上をきっかけに揺れ動く姿を通して、現代の若者の生きづらさを描いた宇佐見りんさんの小説です。第164回芥川賞を受賞しました。

Q. 芥川賞受賞作は難しいイメージですが読みやすいですか?

独特の言語感覚が特徴ですが、文体自体は比較的読みやすく、「推し活」という身近なテーマもあって芥川賞作品の中でも入りやすい一冊です。

Q. 「ながら読書」向きの作品ですか?

160ページほどとコンパクトなため、休憩中や移動中でも聴き切りやすい作品です。

Q. Audible版のナレーターは誰ですか?

女優・モデルの玉城ティナさんが朗読を担当しています。

まとめ

『推し、燃ゆ』は、「推す」という現代的な行為を通して、若者の切実な生きづらさを鮮烈に描いた宇佐見りんさんの芥川賞受賞作。玉城ティナさんの等身大の朗読が、あかりの心の奥底にある思いを丁寧に届けてくれます。ぜひ「ながら読書」で、その切実な物語に触れてみてください。

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