成瀬は天下を取りにいく

本屋大賞

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」
この一文から始まる物語に、私はすっかり心を奪われました。宮島未奈さんの『成瀬は天下を取りにいく』は、読み始めた瞬間から最後まで、頬がゆるみっぱなしの大傑作。Audibleで聴くと、関西弁の絶妙なリズムも相まって、もう成瀬あかりという主人公の魅力にメロメロです 🎧

📚 本の基本情報

  • タイトル:成瀬は天下を取りにいく
  • 著者:宮島未奈
  • 出版社:新潮社
  • 発売:2023年3月17日(単行本)/2025年6月(文庫版)
  • ページ数:208ページ
  • ナレーター:鳴瀬まみ
  • ジャンル:青春小説/連作短編集
  • 主な受賞歴:第21回本屋大賞・第39回坪田譲治文学賞・第59回新風賞ほか17冠
  • Audible実績:「Audibleベスト・オブ2024」第1位/サービス開始10年で最も聴かれた作品
  • 個人評価:★★★★★(5.0 / 5.0)

あらすじ

舞台は滋賀県大津市。物語は2020年、コロナ禍の夏休み目前から始まります。中学2年生の成瀬あかりは、ある日突然、幼馴染の島崎みゆきにこう宣言します。

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」

2020年8月31日に閉店することが決まった、地元唯一のデパート「西武大津店」。成瀬はそのカウントダウン中継に毎日映り込むと言い出すのです。それも、毎日同じユニフォームを着て——。

その後も成瀬の挑戦は止まりません。幼馴染とお笑いコンビ「ゼゼカラ」を結成してM-1グランプリに挑む。自分の髪の毛で「長期実験」を行うため、高校入学式に坊主頭で現れる。市民憲章を完璧に暗記する。目標は「200歳まで生きること」

誰もが目を奪われずにはいられない、最高にユニークな主人公・成瀬あかりの中学2年生〜高校3年生までの夏を、6つの連作短編で描いた青春小説です。

著者・宮島未奈さんについて

『成瀬は天下を取りにいく』を書いた宮島未奈(みやじま・みな)さんは、デビュー作にしていきなり本屋大賞を受賞したという話題の作家です。

1983年、静岡県富士市生まれ。京都大学文学部卒業。2009年から滋賀県大津市にお住まいで、まさに本作の舞台がご自身の生活圏。2021年、「ありがとう西武大津店」で第20回「女による女のためのR-18文学賞」の大賞・読者賞・友近賞をトリプル受賞(史上初)し、文壇デビューを果たしました。

受賞作を含む連作短編集『成瀬は天下を取りにいく』は2023年3月に刊行。発売半年で10万部を突破し、その後の口コミとともに次々と賞を獲得、2024年に第21回本屋大賞を受賞。デビュー作での本屋大賞受賞は25年ぶりの快挙でした。

宮島未奈さんの主な作品

  • 🌅 『成瀬は天下を取りにいく』(2023年)— デビュー作にして本屋大賞・坪田譲治文学賞ほか17冠
  • 🌅 『成瀬は信じた道をいく』(2024年)— 待望の続編。成瀬の高校卒業〜大学受験まで
  • 🌅 『成瀬は都を駆け抜ける』(2025年)— シリーズ完結編。京都大学進学後の成瀬
  • 🌅 『婚活マエストロ』— 別シリーズの作品
  • 🌅 『それいけ!平安部』— 平安をテーマにした最新作

成瀬シリーズは累計190万部突破。コミカライズ、朗読劇、舞台化と展開も拡大中です。コロナ禍に「明るく楽しい話を書きたかった」という宮島さんの想いが、そのまま時代の閉塞感を吹き飛ばすような爽快感として作品に宿っています。

ナレーター・鳴瀬まみさんの朗読が成瀬そのもの

Audible版を最高の体験にしているのが、ナレーターの鳴瀬まみ(なるせ・まみ)さんです。

なんと——お名前が「鳴瀬(なるせ)」。主人公の「成瀬(なるせ)」とほぼ同じ!この奇跡のような配役、鳴瀬さんは滋賀県出身で、関西弁・京都弁が話せる声優さんなのです。まさにこの作品のために生まれてきたようなキャスティング 🎉

鳴瀬まみさんのプロフィール

  • 生年月日:8月28日生まれ
  • 出身地:滋賀県
  • 血液型:O型
  • 所属:アーツビジョン
  • 愛称:まみる
  • 学歴:日本ナレーション演技研究所卒業
  • 方言:関西弁、京都弁
  • 趣味・特技:歌、読書、料理、イラスト

主な出演作は、海外ドラマ「ギルモアガールズ」シーズン5・6のキョン役、韓国版「ドラゴン桜」ナ・ヒョンジュン役、映画「THE SPEAK」エルサ役など、吹替・ナレーション分野での実力派です。

鳴瀬さんの朗読は、成瀬あかりの淡々とした独特の口調を完璧に再現。感情を抑えた成瀬と、ツッコミ役の島崎の対比が見事で、「これはもう、成瀬あかりの声そのもの」とファンが大絶賛。Audibleで10年間で最も聴かれた作品第1位に輝いた立役者の一人です。

Audibleで聴くときのポイント

  • 🎧 速度は1.0〜1.2倍がおすすめ(関西弁のリズムを味わって)
  • 🎧 通勤・家事・散歩中のお供にぴったりの軽さ
  • 🎧 連作短編なので、1編ずつ区切って聴きやすい
  • 🎧 笑える場面が多いので、人前で聴くときは表情筋に注意(笑)
  • 🎧 滋賀県や大津のローカルネタが満載。聴いた後の「聖地巡礼」もおすすめ

聴いた感想

① 成瀬あかりという最高にユニークな主人公

成瀬は、いわゆる「変わった子」です。でも単なる変人ではない。自分の興味と決めたことに、本気で、まっすぐに突き進むのです。誰の目も気にせず、自分の人生を自分の判断で生きている。

「西武大津店の閉店中継に毎日映る」って、客観的に見たらかなり奇妙な目標です。でも成瀬は本気で取り組む。坊主頭で入学式に来る勇気を、私たちは年を取るごとに失っていく。大人になると忘れてしまった「自分の好きを突き抜ける純粋さ」を、成瀬は教えてくれます。

② 島崎みゆきという最高の親友

成瀬を語る上で外せないのが、幼馴染の島崎みゆき。成瀬の突拍子もない行動に振り回されながらも、誰よりも成瀬を理解しているのが島崎です。

本作は基本的に島崎の視点で語られる物語。彼女のツッコミと観察眼があるから、成瀬の魅力が何倍にも輝きます。「こんな親友がほしい」と日本中の読者が思った名コンビです。

③ 滋賀県大津市が舞台の地元愛

西武大津店、膳所、ミシガン(琵琶湖の遊覧船)、うみのこ、びわ湖大津観光大使……。滋賀県の地元ネタが惜しみなく登場します。聴き終わる頃には、行ったこともない大津市にすっかり詳しくなってしまいました。

地域を題材にした小説は数あれど、「地元の誇り」をここまで愛おしく描いた作品は珍しい。滋賀県の方はもちろん、自分の地元を愛するすべての人に響く物語です。

④ コロナ禍を「明るく」描いた稀有な作品

本作の舞台は2020年のコロナ禍から始まります。多くの人がしんどい思いをしたあの時期を、「西武大津店の閉店」という地元の事件を中心に、明るく前向きに描いているのが素晴らしい。

重い社会問題ではなく、「コロナ禍だからこそできたチャレンジ」として捉える視点に、読んでいて何度も勇気をもらいました。

⑤ 全6編どれもハズレなし

連作短編集ですが、どの一編も粒ぞろい。特に私のお気に入りは……(ここはネタバレ防止のためにヒントだけ)。「ときめき江州音頭」と「階段は走らない」あたりは、聴き終わった後にじんわり泣いてしまいました。

項目別の評価

項目 評価 コメント
ストーリー ★★★★★ 連作短編すべてが粒ぞろい
キャラクター ★★★★★ 成瀬あかり史に残る名主人公
爽快感 ★★★★★ 読後の幸福感が半端ない
朗読 ★★★★★ 鳴瀬まみさんの語り口が完璧
普遍性 ★★★★★ 小学生から70代まで楽しめる

🎯 こんな方におすすめ

  • ✓ 元気が出る・前向きになれる小説を聴きたい方
  • ✓ ユニークな主人公が好きな方
  • ✓ 青春小説が好きな方(年齢問わず)
  • ✓ コロナ禍で疲れた気持ちをリフレッシュしたい方
  • ✓ 滋賀県・大津市にゆかりがある方
  • ✓ 笑える本を探している方
  • ✓ Audibleで「ハズレない一冊」を選びたい方

まとめ|「最高の主人公」に会いに行こう

『成瀬は天下を取りにいく』は、ここ数年で出会った最も愛おしい小説でした。読み終わった後、世界がほんの少し明るく見える。「自分も自分の道を行こう」と勇気をもらえる。本ってこんなに人を元気にできるんだと思える一冊です。

Audibleで聴くと、滋賀県出身の鳴瀬まみさんの朗読が、まさに成瀬あかりそのもの。本作が「Audibleで10年間で最も聴かれた作品」になったのも納得です。

まだ出会っていない方は、今すぐ成瀬あかりに会いに行ってください。きっとあなたも、成瀬の天下取りを応援したくなるはずです 🌟

聴き終わったら、続編『成瀬は信じた道をいく』、完結編『成瀬は都を駆け抜ける』も忘れずに!

🎧 Audibleで『成瀬は天下を取りにいく』を聴く

Audible会員なら聴き放題対象作品。初めての方は30日間無料体験で試せます。ぜひこの機会に。

Audibleで聴いてみる

投稿日:2026年5月
— ひより —

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