『そして誰もゆとらなくなった』あらすじと感想|「ゆとり三部作」完結編をAudibleナレーター渡辺紘さんの朗読で聴く
著者:朝井リョウ/ナレーター:渡辺紘/出版社:文藝春秋(Audible版:Audible Studios)
こんにちは、ひよりです。今回ご紹介するのは、朝井リョウさんの『そして誰もゆとらなくなった』。
『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』に続く、抱腹絶倒エッセイ「ゆとり三部作」の完結編です。
直木賞作家の知られざる素顔が詰まった爆笑必至のエッセイに、休憩中に聴いていたつもりが、思わず声を出して笑いそうになる場面が何度もありました。
ナレーターの渡辺紘さんの朗読とあわせて、じっくりレビューしていきます。
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そして誰もゆとらなくなった
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『そして誰もゆとらなくなった』のあらすじ
「修羅!腹痛との死闘、そして投降」「戦慄!初めての催眠術体験」「恥辱!十年ぶりのダンスレッスン」「妖怪!結婚式余興やりまくり人間」「他力本願!引っ越し面倒臭すぎる」「生活習慣病!スイーツ狂いの日々」「帰れ!北米&南米ハプニング旅行」——史上最年少で直木賞を受賞した直木賞作家・朝井リョウさんが、自身の身の回りに起きた出来事を赤裸々に綴った、全20編を収録するエッセイ集です。
自発的に旅行には行かないのに、一度やろうと決めると計画を立てて突き進む謎の行動力。結婚式の余興に全力を注ぎ、ホールケーキをめぐって赤の他人にライバル意識を燃やす——数々の予測不能なエピソードが、朝井さん特有の巧みな比喩表現と自己観察力で綴られていきます。文庫版には書き下ろしエッセイ「ホールケーキの乱、その後」「ロスト・イン・パーソナルトレーニング」の2本も追加収録。『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』に続く、抱腹絶倒エッセイシリーズの完結編です。
2025年4月には『風と共にゆとりぬ』のAudible版配信をもって、「ゆとり三部作」すべてが耳でも楽しめるようになったことが著者本人のSNSでも発信され、話題となりました。
ひよりの感想
正直に言うと、『何者』や『正欲』のような、人間の心をシビアに見つめる作風で知られる朝井リョウさんが書いたエッセイと聞いて、意外な組み合わせだと思っていました。ですが実際に聴き始めると、その落差にこそ驚かされます。休憩中に聴いていたのに、思わず「え、そんなことある!?」と声が漏れてしまう場面が何度もありました。
特に印象的だったのは、腹痛にまつわるエピソードの数々。手に汗握るような壮絶な状況を、これでもかというほどユーモラスに、そして赤裸々に語る姿には、気の毒に思いながらも笑いを我慢できませんでした。「おもしろいというのは、様々な邪念が一切入ってこないくらい、素直に、真剣に生きているときに滲み出る”おかしみ”のことなのだ」という朝井さんの洞察には、思わず唸らされる説得力があります。
小説家としての冷静で緻密な観察眼を、自分自身の日常というごく身近な題材に向けたとき、これほどまでに面白いエッセイが生まれるのかと感心させられました。公共の場で聴くとにやけてしまうこと必至なので、一人でリラックスできる時間に楽しむのがおすすめです。
ながら読書ポイント
全20編それぞれ独立したエピソードなので、休憩中や移動中に区切りよく聴き進めやすい構成です。思わず笑ってしまう場面が多いので、電車の中などで聴く際は表情にご注意を。
著者・朝井リョウさんのプロフィール
| 生年 | 1989年生まれ |
| 出身 | 岐阜県 |
| デビュー | 2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー |
| 主な受賞歴 | 第148回直木賞(『何者』)/第29回坪田譲治文学賞(『世界地図の下書き』)/第34回柴田錬三郎賞(『正欲』) |
| 主な作品 | 『桐島、部活やめるってよ』『何者』『世界地図の下書き』『正欲』「ゆとり三部作」エッセイシリーズなど |
朝井リョウさんは、2009年に『桐島、部活やめるってよ』でデビューした岐阜県出身の作家です。2013年に『何者』で史上初の平成生まれ(ゆとり世代)の直木賞受賞者、かつ男性受賞者としては最年少での受賞という快挙を成し遂げ、以降も『世界地図の下書き』『正欲』など、人間の心を丁寧に観察し描く作品で高い評価を受け続けています。
小説では「正しさ」や人間の本質を鋭く見つめる朝井さんですが、エッセイでは一転、その冷静な観察眼を自分自身の失敗談やハプニングに向け、赤裸々かつユーモラスに綴っています。学生時代からの友人が多く、一般企業でのサラリーマン経験も持つという朝井さんの人柄が色濃く反映された「ゆとり三部作」は、小説とは違った魅力を持つファンに愛されるシリーズとなりました。
ナレーター・渡辺紘さんのプロフィール
| 誕生日 | 3月20日 |
| 出身 | 東京都 |
| 所属事務所 | ケンユウオフィス |
| その他の活動 | ラジオパーソナリティとしても活動 |
渡辺紘さんは、『アイドルマスター SideM』の伊瀬谷四季役をはじめ、アニメ・ゲームで幅広く活躍する男性声優です。ラジオパーソナリティとしても人気を博しており、軽快で親しみやすいトークが持ち味です。
Audibleでは「ゆとり三部作」すべてのナレーションを一貫して担当しており、朝井リョウさん自身のツイートでもその配信が喜びとともに報告されています。落ち着いた、淡々とした語り口でありながら、朝井さんの巧みな比喩表現やユーモアのニュアンスをしっかりと引き立てる朗読は、多くのリスナーから「朝井リョウさんの声はこれで確定」と評されるほどの完成度です。
よくある質問
Q. 『そして誰もゆとらなくなった』はどんな作品ですか?
直木賞作家・朝井リョウさんが、自身の身の回りに起きた抱腹絶倒のエピソードを綴ったエッセイ集です。「ゆとり三部作」の完結編にあたります。
Q. 前作を読んでいなくても楽しめますか?
はい。各エピソードは独立しているため、本作から読んでも問題なく楽しめます。前作を読んでおくとより楽しめる連載企画も一部あります。
Q. 「ながら読書」向きの作品ですか?
全20編の独立したエピソードで構成されているため、休憩中や移動中に区切りよく聴き進めやすい作品です。
Q. Audible版のナレーターは誰ですか?
声優の渡辺紘さんが朗読を担当しています。
まとめ
『そして誰もゆとらなくなった』は、直木賞作家・朝井リョウさんの知られざる素顔が詰まった、爆笑必至のエッセイシリーズ完結編。渡辺紘さんの淡々とした語り口が、朝井さんならではのユーモアと自己観察力を丁寧に届けてくれます。ぜひ「ながら読書」で、思う存分笑ってみてください。


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