ザ・ロイヤルファミリー あらすじ

小説・フィクション


「子は、親をこえられるのか」——継承される血と野望。届かなかった夢のため、一頭の馬が走り続ける。

2025年TBS日曜劇場(妻夫木聡・目黒蓮・佐藤浩市主演)で大きな話題を呼んだ、早見和真の競馬小説の傑作。『ザ・ロイヤルファミリー』は、山本周五郎賞・JRA賞馬事文化賞のダブル受賞を果たした、28年にわたる父子の「継承と克服」の物語です。

Audible版のナレーターは、ワイスプロダクション所属のナレーター・中村友紀さん。約18時間という大長編を「命を吹き込まれている」と絶賛されるほどの朗読で届けてくれます。

📚 作品の基本情報

  • タイトル:ザ・ロイヤルファミリー
  • 著者:早見和真
  • ナレーター:中村友紀
  • 出版社:新潮社
  • ジャンル:競馬小説・家族小説・エンターテインメント長編
  • 受賞歴:第33回山本周五郎賞受賞/2019年度JRA賞馬事文化賞受賞(史上初のダブル受賞)
  • 連載期間:小説新潮 2017年1月号〜2018年9月号
  • 単行本刊行:2019年10月30日
  • ドラマ化:2025年10月〜12月 TBS日曜劇場(妻夫木聡・目黒蓮・佐藤浩市主演)
  • Audible制作:新潮社/ピコハウス
  • Audible再生時間:約18時間
  • 付属資料:PDFあり(競走馬成績表など)

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ザ・ロイヤルファミリー

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📖 あらすじ

物語は二部構成で、1997年から2025年という28年にわたる時間を描きます。

◆ 第一部「希望」——山王耕造とロイヤルホープの物語

税理士・栗須栄治(くりす・えいじ)は、父の死後、空虚な心を抱えて生きていました。友人の伝手から人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」の創業社長・山王耕造(さんのう・こうぞう)に拾われ、後に秘書として抜擢されます。

山王耕造は典型的なワンマン社長——傲岸不遜で、自分の意志を曲げることを知らない。しかしその裏には、人並外れた情熱と人情が宿っていました。晩年、耕造は馬主として競馬の世界に飛び込みます。「ロイヤルホープ」と名付けた一頭の馬に、自分のすべての夢を賭けて——。

しかしロイヤルホープは、有馬記念の夢に届かないまま引退を迎えます。「絶対王者」と呼ばれる名馬に、幾度となく跳ね返され続けた耕造。それでも諦めず、次の手を打ち続ける老社長の姿が第一部の骨格をなします。

◆ 第二部「家族」——山王耕一とロイヤルファミリーの物語

耕造には、長年存在を知らなかった隠し子・山王耕一(さんのう・こういち)がいました。耕造の死の直前、栗須の橋渡しで初めて父と会った耕一。耕造は「ロイヤルホープの産駒」を耕一に相続させ、その馬に「ロイヤルファミリー」と名付けます。

馬の血と、父への複雑な思いを引き継いだ耕一は、栗須とともに馬主として歩み始めます。同世代のライバル馬主・椎名展之(しいな・のぶゆき)と競い合いながら、父が叶えられなかった「有馬記念の頂点」を目指して——。

「競馬は楽しいギャンブルだ」と語った耕造、「競馬はアスリートを生み出す産業だ」と語る登場人物たち。二頭の馬が、二人の父子が、そして競馬という「ロマンある賭け事」が、28年の物語を走り続けます。

✍️ 著者プロフィール:早見和真

早見和真(はやみ・かずまさ)さんは1977年7月15日生まれ、神奈川県横浜市出身の小説家です。野球推薦で桐蔭学園中学校・高等学校の硬式野球部に入部——2年先輩に高橋由伸(後の読売ジャイアンツ監督)がいたというエピソードが知られています。

國學院大學文学部に進学後、20歳で雑誌『AERA』「現代の肖像」などのライターとして活動を開始。しかし全国紙の新聞社への内定が出ていたにも関わらず、3年留年の末に退学となり内定も取り消しに。自暴自棄に陥った時期に旧知の編集者から小説の執筆を勧められ、自らの高校野球経験を基に書き上げた作品でデビューします。

  • 2008年「ひゃくはち」で小説家デビュー(名門高校野球部の補欠部員を描いた自伝的作品)
  • 2013年「ぼくたちの家族」——映画化(原田泰造・長澤まさみ主演)
  • 2015年「イノセント・デイズ」で第68回日本推理作家協会賞受賞
  • 2016年 愛媛県松山市に移住(2022年まで在住、現在は東京在住)
  • 2020年「ザ・ロイヤルファミリー」で第33回山本周五郎賞受賞・JRA賞馬事文化賞受賞
  • 2020年「店長がバカすぎて」で本屋大賞ノミネート
  • 2024年「笑うマトリョーシカ」——TBSドラマ化(渡辺謙・清原果耶主演)
  • 2025年「アルプス席の母」で本屋大賞ノミネート

本作執筆の背景として、早見さんは中学時代に父親が馬主をしていた友人たちについて東京競馬場の来賓席で競馬を観たことが原点だと語っています。「典型的な庶民の倅だった自分が、お坊ちゃんばかりの桐蔭学園に野球推薦で入り、来賓席の競馬を体験した」という経歴が、本作の「上流社会と庶民」という視点の交差点を生んでいます。

また「デビュー以来、書くことが辛くて仕方がない。小説を書くことは自分の才能のなさを突き付けていく行為だ」という言葉が知られており、毎作品に全力で向き合うその姿勢が、本作のリアリティある競馬世界の描写(JRA全面取材協力の賜物でもある)に結実しています。

🎙️ ナレータープロフィール:中村友紀

中村友紀(なかむら・ともき)さんは、ワイスプロダクション所属のナレーターです。オーディオブック・朗読を中心に幅広く活動しており、Audibleでは本作「ザ・ロイヤルファミリー」のほか、多数の作品を担当しています。

Audible担当作品(確認済み)は以下のとおりです。

  • 『ザ・ロイヤルファミリー』(本作・早見和真)
  • 『コメンテーター』
  • 『時給三〇〇円の死神』
  • 『神様のカルテ2』『神様のカルテ3』『神様のカルテ0』(夏川草介)
  • 『魑魅虫』
  • 『夕刻、江の島診療所で』
  • ビジネス書・自己啓発書も多数担当

Audible版「ザ・ロイヤルファミリー」の朗読に対してリスナーは「中村友紀さんの朗読によって命を吹き込まれている」「この組み合わせが想像以上に素晴らしかった」と絶賛しています。

本作は耕造・耕一という父子二代の物語であり、ワンマン社長の老人・その隠し子の青年・長年仕えた秘書・調教師・牧場主など、登場人物が非常に多岐にわたります。それぞれの年代・立場・感情を丁寧に演じ分けながら、約18時間にわたる大長編の「競馬のロマン」と「父子の情」を声で体現する中村さんの朗読は、本作がAudibleで特に人気を集める大きな理由のひとつとなっています。

🎧 Audibleで聴くポイント

◆ 「競馬を知らなくても楽しめる」という声が多い理由

読者・リスナーの感想として最も多いのが「競馬に全く興味がなかったのに面白かった」というものです。本作は馬券の買い方や競馬のルールを知らなくても、馬主という「競馬を作る側の人間」の視点から物語が進むため、「なぜ競馬にのめり込む人がいるのか」という根本の問いに対する答えが自然に届いてきます。Audibleで聴くと、レースシーンの緊迫感が声で直撃します。

◆ 約18時間——父子二代の28年を「大河ドラマ」として体験

本作はTBS日曜劇場でドラマ化されるだけの「大河ドラマ」的スケールを持っています。1997年から2025年という28年の物語を、約18時間のAudibleで体験する。週末に1〜2時間ずつ聴き進めれば、競馬のシーズンに合わせるように物語が進んでいく感覚があります。通勤・通学のながら聴きで少しずつ進めるのもおすすめです。

◆ ドラマを観た方に——原作の「栗須視点」の深さ

TBSドラマ版(妻夫木聡主演)では映像的な演出が中心となりますが、原作の最大の特徴は秘書・栗須の「外部からの視点」です。栗須は山王家の人間でなく、馬主でもない——観察者として28年を見届ける存在です。その「秘書が語り手」という構造が、耕造の偉大さも人間くさい側面も、距離感を保ちながら届けてくれます。Audibleで聴くと、その「栗須の語り」の温かさがより直接的に伝わります。

◆ 付属PDFで「ロイヤルファミリーの競走成績表」が確認できる

Audible版には付属PDFが用意されており、物語の最後を飾る「ロイヤルファミリーの競走成績表」などを確認できます。著者が巻末に残したこの成績表は、本作の感動をさらに一段深めるラストのギフトです。ぜひ聴き終えた後にチェックしてみてください。

💬 ひよりの感想

① 「競馬は楽しいギャンブルだ」——耕造の言葉の重さ

競馬をめぐって「ギャンブル」派と「スポーツ産業」派の対立が本作のひとつの軸になっています。口下手で傲岸不遜な山王耕造が「競馬は楽しいギャンブルだ」と言い切るとき、その言葉には何十年分の経験が詰まっている——それが中村友紀さんの語り口を通じて、耳にじんわりと届いてきました。

② 隠し子・耕一との初対面シーンが最高だった

競馬の話題があったから成り立った、70代の老人と20代の隠し子の初対面——「普通ないですもんね、20歳前と70歳前後の共通の話題」という読者の感想がまさにその通りで。競馬という「縦の時間」をつなぐ媒介としての機能が、このシーンで完璧に描かれていました。

③ 馬の「セカンドキャリア」への視点が誠実

走らない競走馬の多くが殺処分されるという現実を、本作は正面から描きます。第一部でその事実を知ってザラッとした後、第二部で引退馬のセカンドキャリアへの取り組みが描かれる構成——競馬のロマンを描きながら、その裏側にある問題も回避しない誠実さが、本作を単なる「感動の競馬小説」以上にしています。

④ 「驚異のリーダビリティ」はAudibleで「驚異の聴きやすさ」に変換される

出版社の帯にある「驚異のリーダビリティ」という言葉は正確でした。「次のレースはどうなるんだ」という牽引力が18時間を通して途切れない。Audibleで聴いていると、そのリーダビリティがそのまま「止まれない聴きやすさ」として届いてきます。「通勤時間のAudibleが楽しみで出社が嫌じゃなくなった」という感覚が確かにあります。

⑤ 最後の1ページ——競走成績表の余韻

本文が終わった後、付属PDFにひっそりと残されたロイヤルファミリーの競走成績表——「有馬記念:中山(豪雨)」の一行を目にしたとき、改めてこれは山王耕造の物語だったと感じました。耕造は人生でその場所に辿り着けなかった。でも、血と夢は継承された——そのことが、成績表の一行に込められています。

⭐ 項目別評価

項目 評価 コメント
ストーリーの面白さ ★★★★★ 28年の父子の物語は日本競馬小説の最高峰
キャラクターの魅力 ★★★★★ 山王耕造の人間くさい偉大さが圧倒的
Audibleとの相性 ★★★★★ レースシーンの臨場感が声でより鮮明に
ナレーションの質 ★★★★★ 「命を吹き込まれている」と絶賛されるリスナー評
ながら聴きのしやすさ ★★★★☆ 登場人物が多い序盤は集中推奨、慣れると最高
初心者へのおすすめ度 ★★★★★ 競馬知識ゼロで楽しめる。早見和真入門にも最適

🙋 こんな方におすすめ

  • ✅ TBSドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」を観た方・気になった方
  • ✅ 競馬が好きな方(もちろん!)
  • ✅ 競馬を知らないけど「父子の継承物語」に惹かれる方
  • ✅ 山本周五郎賞・JRA賞ダブル受賞の傑作を体験したい方
  • ✅ TBS日曜劇場的な「大河ドラマ型」の長編が好きな方
  • ✅ 約18時間の大作をAudibleでじっくり楽しみたい方

📝 まとめ

『ザ・ロイヤルファミリー』は、競馬という「人生を狂わせることもある賭け事」が、同時に「家族の絆をつなぐ奇跡の縁」にもなりうることを、28年という時間をかけて証明した傑作です。山本周五郎賞・JRA賞のダブル受賞は、その完成度への最大の答えです。

中村友紀さんの「命を吹き込む」朗読で、ロイヤルホープとロイヤルファミリーの蹄音が耳から届いてきます。約18時間の旅の末に、あの成績表の「有馬記念:中山(豪雨)」の一行を見たとき——きっと何かが胸の深いところに残るはずです。

※本記事にはAmazonアソシエイト等のアフィリエイトリンクが含まれています。

📚 早見和真のAudible人気作もチェック

  • 店長がバカすぎて——書店員・谷原京子の痛快職場コメディ。本屋大賞ノミネート。
  • 笑うマトリョーシカ——TBSドラマ化(渡辺謙・清原果耶主演)。政界を舞台にしたミステリー。
  • アルプス席の母——2025年本屋大賞ノミネート。高校野球を舞台にした母と息子の物語。

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投稿日:2026年5月 / 著者:ひより

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