「ああ、そうか。わたしたちは幸せだったのかもしれないね」——その言葉に、胸が溢れた。
2023年本屋大賞を受賞した傑作『汝、星のごとく』の続編にして完結編。凪良ゆう『星を編む』は2024年本屋大賞ノミネート作であり、「前作を超える幸福感」「ここまで読んで完結」と読者から絶賛された3つの短編で構成される集大成です。
Audible版のナレーターは前作から引き続き柚木尚子さんと、今作から新たに加わった岩崎了さん。再生時間11時間1分、評価☆4.8・967件という圧倒的な高評価が、本作のAudible体験の充実度を物語っています。
📚 作品の基本情報
- タイトル:星を編む
- 著者:凪良ゆう
- ナレーター:柚木尚子・岩崎了
- 出版社:講談社
- ジャンル:恋愛小説・連作短編集(シリーズ完結編)
- 本屋大賞:2024年本屋大賞ノミネート
- シリーズ:汝、星のごとく(第20回本屋大賞受賞)の続編・完結編
- 収録作品:「春に翔ぶ」「星を編む」「波を渡る」(全3編)
- Audible再生時間:11時間1分
- Audible評価:☆4.8(967件)
- Audible配信日:2025年12月26日
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星を編む
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⚠️ 本作は『汝、星のごとく』の続編です。前作のネタバレを含みますので、未読の方はぜひ前作からお楽しみください。当ブログの『汝、星のごとく』書評記事もあわせてどうぞ。
📖 あらすじ
本作は『汝、星のごとく』で「語りきれなかった愛の物語」を3つの短編で描きます。
第一編「春に翔ぶ」
瀬戸内の島で暁海と櫂を長年見守り続けた高校教師・北原先生の視点から描かれる物語。前作でも「善人」として描かれた北原先生が、実は深い傷と秘密を胸に抱えていたことが明かされます。彼が病院で声をかけてきた教え子・菜々(ナナ)が抱えていた問題とは何か。そして北原先生自身が「善人であること」と「弱者であること」の狭間でどう生きてきたのか——。前作で「好きだったキャラ」として多くの読者が挙げる北原先生の意外な過去が、温かく切なく描かれます。
第二編「星を編む」
「才能という名の星を輝かせるために、魂を燃やす編集者たちの物語」。漫画原作者・作家として成長した青埜櫂を担当した編集者ふたり——二階堂と植木——が繋いできたものを描きます。物を書く人間と、それを世に送り出す編集者の関係。それぞれが「好意を持ちながらも自制心で抑え続ける」不思議な絆とは——本作のタイトルにもなった、仕事と愛情が交錯する編集者小説としても読める一編です。
第三編「波を渡る」
「花火のように煌めく時間を経て、愛の果てにも暁海の人生は続いていく」——本作の白眉にして、シリーズ全体の完結を告げる一編。前作の出来事から年月を経た北原暁海のその後が描かれます。北原先生との関係、オートクチュール刺繍作家としての人生、そして「愛の果てに何が残るのか」——「波を渡る」は読み終えた後に前作から全てのピースが揃う感覚をもたらし、「汝、星のごとく』込みでの完成形」と評されます。
✍️ 著者プロフィール:凪良ゆう
凪良ゆう(なぎら・ゆう)さんは1973年1月25日生まれ、滋賀県大津市出身・京都府在住の小説家です。本名・顔出しともに非公開。もともと漫画家を目指していましたが一度絵から離れ、結婚後に時間ができて図書館に通ううちに小説を書き始めました。
2006年、BL雑誌「小説花丸」に掲載された中篇「恋するエゴイスト」でデビュー。以降BLジャンルを中心に活躍し、2014年発表の『美しい彼』はBLアワード1位を獲得、ドラマCD化・テレビドラマ化・映画化と幅広くメディア展開されています。一貫して「どこまでも世間と相いれない人たち」を書き続けてきたというスタンスは、BLも一般小説も変わりません。
- 2006年「恋するエゴイスト」でデビュー
- 2014年「美しい彼」——BLアワード1位、ドラマ・映画化
- 2020年「流浪の月」で第17回本屋大賞受賞
- 2021年「滅びの前のシャングリラ」で本屋大賞ノミネート(2回目)
- 2023年「汝、星のごとく」で第20回本屋大賞・第10回高校生直木賞受賞
- 2024年「星を編む」で本屋大賞ノミネート(4回目)
2020年と2023年、本屋大賞を2度受賞するという快挙を達成。さらに4度のノミネートという継続的な高評価は、書店員の絶大な信頼を示しています。「朝起きてから夜寝るまで、特定の曜日は執筆のみに充てる」という規則正しい創作スタイルも知られています。
「どこまでも世間と相いれない人たち」の愛を、圧倒的な筆力と繊細な心理描写で描く凪良ゆうさんの作品群は、いずれも「読んだ後に世界が少し違って見える」ような余韻を持ちます。本作は、そのシリーズ集大成であり、前作の「切なさ」に「救い」と「幸福感」を加えた、作家としての新たな境地です。
🎙️ ナレータープロフィール:柚木尚子(暁海・女性視点担当)
柚木尚子(ゆずき・しょうこ)さんは7月4日生まれ、山口県周南市出身の女性声優です。ケンユウオフィス所属(2026年4月より正式所属に昇格)。関西学院大学文学部を卒業後、ラムズ付属養成所RPE・映像テクノアカデミアで学び、スペルバウンドを経て2016年にケンユウオフィス預かり所属となりました。趣味はゲーム・人狼・歌うこと、特技はスーパーボールすくい・歌・フランス語・アイドルの振りコピーという個性豊かな一面も持ちます。
アニメ、ゲーム、Netflix・海外ドラマ吹き替えなど幅広く活躍しています。主な出演作は以下のとおりです。
- 『ドラえもん』(テレビ朝日版第2期・人々・キャスターほか)
- 『ブラック・クローバー』(パトリ幼少期)
- 『薬屋のひとりごと』(侍女・響迂の侍女ほか)
- Netflix『ペイン・ハスラーズ』(吹き替え)
- Netflix『超巨大ロボットブラザーズ』(吹き替え)
- 映画『シング・フォー・ミー、ライル』(吹き替え)
Audible版「汝、星のごとく」(前作)では志村倫生さんとともに朗読を担当し、「軽やかで快活な語り口がすがすがしい感動を与えてくれる」と高評価を受けました。本作でも引き続き暁海ら女性視点のパートを担当。シリーズを通じて「暁海の声」として定着した柚木さんの朗読は、前作を聴いたリスナーにとってこの上なく心強い「再会」となります。
🎙️ ナレータープロフィール:岩崎了(男性視点・編集者パート担当)
岩崎了(いわさき・りょう)さんは9月7日生まれ、兵庫県出身の男性声優です。アーツビジョン所属。日本ナレーション演技研究所出身。趣味・特技は映画鑑賞、音響編集、キャンプ、早起き、空手の型、整理整頓と多彩。OVA『ジャイアントロボ THE ANIMATION』の混世魔王・樊瑞がきっかけで声優を目指したというエピソードが知られています。方言は関西弁。
長期シリーズへの参加経験が豊富で、特に以下の作品で知られています。
- 『僕のヒーローアカデミア』(スピナー)——第3〜7期・5シリーズにわたって参加
- 『イナズマイレブンGO』シリーズ(錦龍馬ほか多数)
- 『ハートキャッチプリキュア!』(加賀やすひこほか)
- 『坂本ですが?』
- 『SCARLET NEXUS』(アナウンサー)
このブログでは前作「汝、星のごとく」のナレーター・志村倫生さんに代わり、本作「星を編む」から新加入した岩崎了さん。第二編「星を編む」の編集者・二階堂の視点など男性目線のパートを担当し、シリーズに新たな声の色彩を加えています。また本ブログで紹介した「成瀬は天下を取りにいく」「塞王の楯」「夢をかなえるゾウ」「イン・ザ・メガチャーチ」にも岩崎了さんが朗読ナレーターとして登場しており、このブログでは4作品を超えてご紹介する常連のナレーターとなっています!
🎧 Audibleで聴くポイント
◆ 前作を聴いてから本作へ——柚木尚子の「声の再会」が感動的
前作「汝、星のごとく」を柚木尚子さんの声で聴いたリスナーにとって、本作の冒頭で再び聴こえてくる「あの声」は、まるで旧友との再会のような感覚をもたらします。暁海という人物の歩んできた年月が、柚木さんの声に重なって深みを増します。前作をAudibleで体験済みの方は、ぜひそのまま続けて本作も聴くことをおすすめします。
◆ 岩崎了さんの加入で広がった「声の世界」
前作では柚木尚子・志村倫生のふたりで語られていた物語が、本作では柚木尚子・岩崎了のコンビに。特に第二編「星を編む」の編集者パートは、岩崎さんの落ち着いた語り口が「才能を世に送り出す仕事の誠実さ」を体現しています。シリーズの声の変化もまた、物語の「時間の流れ」を表現する一部となっています。
◆ 3編それぞれが独立したAudible体験として楽しめる
「春に翔ぶ」「星を編む」「波を渡る」の3編は、それぞれ異なる視点・テーマを持ちながら独立した短編としても楽しめます。通勤・通学のながら聴きで1編ずつ区切って聴き進めることができますが、特に最終編「波を渡る」は集中して聴ける静かな環境でじっくりと向き合うことをおすすめします。
◆ 「前作では切なかった」方への”救済”体験として
「汝、星のごとく」を読んで(聴いて)胸が痛くなった方に、本作はある種の「救い」を届けてくれます。「前作込みでの完成形」というリスナーの声が示すとおり、本作を聴くことで前作の痛さが「温かさ」に変容していく体験は、Audibleで前作から続けて聴いてきたリスナーほど深く感じられます。
💬 ひよりの感想
① 北原先生の過去に「そうだったのか」と思った
前作で「この人は本当に善人なのかな」と感じさせながら、でも誰より誠実に見えた北原先生。第一編「春に翔ぶ」で彼の過去が明かされたとき、「善人であることと弱者であることは時に同じ意味を持つ」という言葉の重みがじわじわと伝わってきました。前作のあの場面が、別の色で見えてくる。凪良ゆうさんの構成の巧みさに改めて唸りました。
② 第二編「星を編む」の編集者小説としての面白さ
「才能を持つ人間を支える側の人間」の物語、というのは小説の中でも難しいテーマのはずです。でも凪良ゆうさんは、編集者ふたりの関係性をとても丁寧に描いていて、「この仕事に人生を賭けている人間がいる」ということがリアルに届いてきました。岩崎了さんの落ち着いた朗読が、この「仕事への誠実さ」を声で体現していたと思います。
③ 「波を渡る」を聴いて、前作が完成した
読み終えた(聴き終えた)後に「ここまで読んで完結」という感想がなぜこんなにも多いのかがわかりました。前作の切なさが昇華されるのは、この第三編があってこそ。暁海の人生が「続いていく」こと、愛の果てにも光があることを、凪良ゆうさんは最後の最後まで丁寧に描いてくれました。柚木尚子さんの声がその温かさをそのまま届けてくれた感覚があります。
④ 「幸せだったのかもしれない」という言葉の強さ
本作のキャッチコピー「ああ、そうか。わたしたちは幸せだったのかもしれないね」——この言葉が響く場面で、本当に涙が出てきました。前作を聴いていれば特に。「幸せだった」ではなく「幸せだったのかもしれない」という、確信と疑いの間にある微妙な言葉が、この物語のすべてを象徴している気がします。
⑤ このシリーズはAudibleで聴いて本当によかった
前作「汝、星のごとく」から柚木尚子さんの声で聴いてきたからこそ、本作で「あの声が戻ってきた」という感覚が格別でした。声で聴くことで登場人物との距離が縮まり、別れがより切なく、再会がより温かく感じられます。Audibleというメディアとこのシリーズの相性は、本当に抜群です。
⭐ 項目別評価
| 項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| ストーリーの面白さ | ★★★★★ | 前作の切なさが「幸福感」に昇華される圧巻の完結 |
| キャラクターの魅力 | ★★★★★ | 北原先生の過去と暁海のその後が特に心に残る |
| Audibleとの相性 | ★★★★★ | 柚木尚子の「声の再会」が前作から続く最大の醍醐味 |
| ナレーションの質 | ★★★★★ | 柚木×岩崎の新コンビが物語の深みをさらに引き立てる |
| ながら聴きのしやすさ | ★★★★☆ | 3編ごとに区切りよく聴ける。最終編は集中推奨 |
| 初心者へのおすすめ度 | ★★★☆☆ | 前作必読。その上で本作を聴くと感動が倍増する |
🙋 こんな方におすすめ
- ✅ 『汝、星のごとく』を読んで(聴いて)感動した方——必読の完結編
- ✅ 「あのキャラクターのその後が気になる」という方
- ✅ 凪良ゆうさんの全作品を追いたい方
- ✅ 柚木尚子さん・岩崎了さんのファンの方
- ✅ 「切なさ」の先にある「救い」を求めている方
- ✅ シリーズを通してAudibleで体験したい方
📝 まとめ
『星を編む』は、あの切なくも美しい物語の「続き」を知りたいすべてのリスナーへの贈り物です。「汝、星のごとく」込みでの完成形——その言葉の意味を、ぜひAudibleで体験してみてください。
柚木尚子さんの「暁海の声」が帰ってきて、岩崎了さんの新しい声が加わって——11時間1分、シリーズを締めくくる物語があなたを待っています。
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📚 「汝、星のごとく」シリーズをまとめて聴く
- 汝、星のごとく(第20回本屋大賞受賞)——当ブログでも書評記事あり。ナレーター:柚木尚子・志村倫生
- 星を編む(本作)——ナレーター:柚木尚子・岩崎了。シリーズ完結編
📖 凪良ゆうの他のAudible人気作
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投稿日:2026年5月 / 著者:ひより


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