『小説』あらすじと感想|2025年本屋大賞3位、小説を読むすべての人への物語をAudibleナレーター小堀真生さんの朗読で聴く
著者:野崎まど/ナレーター:小堀真生/出版社:講談社(Audible版:Audible Studios)
こんにちは、ひよりです。今回ご紹介するのは、野崎まどさんの『小説』。
2025年本屋大賞第3位に輝いた、その名の通り「小説」そのものをテーマにした異色の長編です。
「なぜ小説を読むのか」という問いに正面から向き合う物語に、休憩中に聴いていたつもりが、続きが気になって手が止まらない時間が続きました。
ナレーターの小堀真生さんの朗読とあわせて、じっくりレビューしていきます。
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小説
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『小説』のあらすじ
5歳のとき読んだ『走れメロス』をきっかけに、内海集司の人生は小説にささげられることになりました。12歳になった集司は、小説の魅力を共有できる生涯の友・外崎真と出会い、二人は小説家が住んでいるという「モジャ屋敷」に潜り込みます。そこでは好きなだけ本を読んでいても怒られることはなく、屋敷の主である小説家・髭先生は、二人の小説世界をさらに豊かなものにしてくれました。
しかし、その屋敷にはある秘密が隠されていました。読むだけじゃ駄目なのか。それでも小説を読む。小説を読む。読む。宇宙のすべてが小説に集まっていく——。「なぜ小説を読むのか」という壮大な問いに、真正面から向き合い、明確な答えを提示する本作。章の区切りが一切なく、息継ぎも許さない密度感の中で物語が展開していきます。
2025年本屋大賞で第3位を獲得したほか、「キノベス!2025」第3位、第42回織田作之助賞候補にも選ばれた話題作。凪良ゆうさん、森見登美彦さん、小川哲さんら数々の作家からも絶賛のコメントが寄せられており、小説を愛するすべての人に向けた一冊として高く評価されています。
ひよりの感想
正直に言うと、「小説について書かれた小説」と聞いて、少し内向きで難解な作品を想像していました。ですが、実際に聴き始めてみると、集司少年が本の世界にのめり込んでいく序盤から、自分自身の読書体験と重なる部分が多く、あっという間に引き込まれていきました。休憩中に聴いていたのですが、章の区切りがない密度の濃い構成のせいか、つい一区切りつくところまでと聴き続けてしまう日が何度もありました。
本作最大の魅力は、「なぜ小説を読むのか」という問いに、はっきりとした答えを出しているところだと感じました。「答えは人それぞれ」というありがちな結論に逃げず、集司と外崎の30年にわたる物語を通して、真正面からその意味を提示する構成には、読み終えたあとに深い納得感がありました。
後半のかっ飛んだ展開には、良い意味で度肝を抜かれます。それまで静かに積み重ねられてきた「小説を読む」という行為が、思いもよらないスケールへと一気に飛躍していく様子は、まさに野崎さんならではの構成力。普段小説をたくさん読む方にも、最近読書から離れている方にも、それぞれ違った角度で刺さる一冊だと感じました。
ながら読書ポイント
章の区切りがなく一気に読ませる構成のため、まとまった時間が取れるときに集中して聴くのがおすすめです。224ページとボリューム自体はコンパクトなので、休憩中や移動中でも聴き切りやすい長さです。
著者・野崎まどさんのプロフィール
| 生年 | 1979年生まれ |
| 出身 | 東京都墨田区 |
| 出身大学 | 麻布大学獣医学部 |
| デビュー | 2009年「[映]アムリタ」で第16回電撃小説大賞「メディアワークス文庫賞」の最初の受賞者となりデビュー |
| 主な受賞歴・候補歴 | 第34回日本SF大賞候補(『know』)/第42回吉川英治文学新人賞候補(『タイタン』)/2025年本屋大賞3位・第42回織田作之助賞候補(『小説』) |
| 主な作品 | 『know』『タイタン』「バビロン」シリーズ『HELLO WORLD』『小説』など |
| 脚本・構成 | 2017年アニメ『正解するカド』でシリーズ構成・脚本、2019年劇場アニメ『HELLO WORLD』で脚本を担当 |
野崎まどさんは、2009年に「[映]アムリタ」でメディアワークス文庫賞を受賞してデビューした作家です。小説家としての活動に加え、アニメ『正解するカド』のシリーズ構成・脚本や、劇場アニメ『HELLO WORLD』の脚本も手がけるなど、幅広いフィールドで活躍しています。
2025年に刊行された『小説』は、野崎さんにとって初めての本屋大賞ノミネート作品となり、第3位を獲得。長らく大学時代に獣医学を学んでいたという異色の経歴を持つ野崎さんが、「なぜ小説を読むのか」という根源的な問いに向き合った本作は、多くの作家からも絶賛されるなど、これまでの作品とは一線を画す高い評価を得ています。
ナレーター・小堀真生さんのプロフィール
| 誕生日 | 6月19日 |
| 出身 | 東京都世田谷区 |
| 所属事務所 | ケンユウオフィス預かり(専門学校 東京声優・国際アカデミー卒業) |
| 趣味・特技 | 趣味は靴下集め、ゲーム、歌唱、散歩/特技は卓球 |
小堀真生さんは、『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』など複数のアニメ作品や、Netflix・Amazon Prime Videoなど海外ドラマの吹き替えでも幅広く活躍する男性声優です。『ファイナルファンタジー』に憧れて声優を志したという経歴の持ち主で、様々な役柄を自然な演技力で読み分けています。
本作のように章の区切りがなく密度の高い文章が続く作品において、集司の小説への没入していく熱量と、後半の急激な展開の勢いを、聴き手を置いていかない丁寧なテンポで読み進めています。静かな熱を帯びた語り口が、「小説を読む」という行為そのものを描く本作の世界観と自然に溶け合っています。
よくある質問
Q. 『小説』はどんな作品ですか?
幼い頃から小説にのめり込んだ内海集司の30年にわたる人生を通して、「なぜ小説を読むのか」という問いに向き合う野崎まどさんの長編小説です。2025年本屋大賞で3位を獲得しました。
Q. SFやファンタジーが苦手でも楽しめますか?
後半にかけてSF的な飛躍のある展開になりますが、根底にあるのは「読書とは何か」という普遍的なテーマなので、ジャンルを問わず本好きの方に広く刺さる内容です。
Q. 「ながら読書」向きの作品ですか?
章の区切りがなく一気に読ませる構成のため、まとまった時間で集中して聴くのがおすすめです。全体のボリューム自体はコンパクトです。
Q. Audible版のナレーターは誰ですか?
声優の小堀真生さんが朗読を担当しています。
まとめ
『小説』は、「なぜ小説を読むのか」という根源的な問いに真正面から向き合い、明確な答えを提示する野崎まどさんの意欲作。小堀真生さんの丁寧な朗読が、集司の30年にわたる読書人生を静かな熱量で届けてくれます。ぜひ「ながら読書」で、あなた自身が本を読む理由を見つめ直してみてください。


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