たとえば孤独という名の嘘 あらすじ

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『たとえば孤独という名の嘘』あらすじと感想|警察小説の名手が挑む新境地をAudibleナレーター丹沢晃之さんの朗読で聴く

著者:誉田哲也/ナレーター:丹沢晃之/出版社:文藝春秋(Audible版:Audible Studios)

こんにちは、ひよりです。今回ご紹介するのは、誉田哲也さんの『たとえば孤独という名の嘘』。
〈姫川玲子〉シリーズや〈ジウ〉サーガで知られる警察小説の名手が挑んだ、警察×スパイの慟哭ミステリーです。
1話ごとに視点人物が変わり、そのたびに真相が反転していく構成に、通勤中に聴いていたはずが何度も足を止めてしまいました。
朗読を手がける丹沢晃之さんの表現力とあわせて、じっくりレビューしていきます。

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たとえば孤独という名の嘘

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『たとえば孤独という名の嘘』のあらすじ

警視庁公安部の佐島賢太は、ある日、被疑者の取調べに駆り出されます。大学時代の友人・稲澤敏生が、勤務先の女性部下・矢代愛美を殺害した容疑をかけられていたのです。しかも被害者は、二人が学生時代に共に恋い焦がれた女性・岸本綾と瓜二つでした。容疑を否認しながら、稲澤はこうつぶやきます。「矢代は中国のスパイだったんじゃないか」。

取調べを終えて部屋を出た佐島の前に立ちはだかったのは、特捜の幹部たち。彼らが突きつけた一枚の紙には、いったい何が書かれていたのか——。「レイン」「ダーク」「ドッグ」「ライズ(たとえば孤独という名の嘘)」「アイズ(いつか永遠という名の瞳)」という全5話の連作短編集で、1話ごとに視点人物が移り変わり、明らかになる事実が次々と真相を反転させていきます。

〈姫川玲子〉シリーズや〈ジウ〉サーガを手がけてきた警察小説の名手・誉田哲也さんが、ノンシリーズの一冊完結作として挑んだ本作。中国の産業スパイの暗躍という縦軸と、遺棄された遺体の真相解明というもう一つの縦軸が絡み合いながら、事実が事実を揺るがしていく構成が高く評価されています。

ひよりの感想

正直に言うと、1話目「レイン」を聴き終えた時点では、ハードボイルドな公安ものとして楽しむつもりでいました。ですが2話目に入った瞬間、それまでの前提がガラリと覆される展開に、思わず「え、そういうこと!?」と声が出てしまいました。通勤中に聴いていたのですが、次の話への切り替わりが気になって、駅に着いても聴き続けてしまう日が何度もありました。

視点人物が変わるたびに、同じ出来事がまったく違う色合いを帯びて見えてくるのが本作最大の魅力です。中国のスパイをめぐる緊迫した攻防と、登場人物たちが抱える個人的な感情や過去が丁寧に絡み合っていて、単なる社会派ミステリーにとどまらない厚みを感じました。

そして最終話「アイズ」でようやく明かされる真相。「私に残ったのは、あの人だけだった。だからこそ、赦せなかった」という言葉の重みに、切なさがじわりと押し寄せてきました。タイトルの意味に気づいた瞬間の感覚は、ぜひ多くの方に体験していただきたいです。

ながら読書ポイント

全5話の連作短編形式で、視点人物ごとに区切りがはっきりしているので、通勤や休憩中に1話ずつ聴き進めやすい構成です。各話の切り替わりで真相が反転するので、続きが気になって聴く手が止まらなくなります。

著者・誉田哲也さんのプロフィール

生年 1969年生まれ
出身 東京都板橋区
出身大学 学習院大学
デビュー 2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞しデビュー。2003年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞
代表シリーズ 〈ジウ〉サーガ(『ジウI・II・III』『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』ほか)/〈姫川玲子〉シリーズ(『ストロベリーナイト』ほか)/〈武士道〉シリーズ/〈魚住久江〉シリーズ
映像化 『ストロベリーナイト』など多数の作品がドラマ化・映画化

誉田哲也さんは、2002年に『妖の華』でデビューして以来、〈姫川玲子〉シリーズや〈ジウ〉サーガなど、数々の人気警察小説シリーズを手がけてきた作家です。累計300万部を突破した〈ジウ〉サーガをはじめ、映像化作品も多く、警察小説の分野で確固たる地位を築いています。

『たとえば孤独という名の嘘』は、そんな誉田さんが「ノンシリーズ」「一冊完結」という形で挑んだ新境地。インタビューで誉田さんは、長編を書く際は最初から最後まで全てのプロットを固めてから執筆すると明かしており、緻密に計算された「1話ごとに真相が反転する」構成はその手腕の賜物と言えます。最後の2編のタイトルには、とある映画作品へのオマージュも込められているそうです。

ナレーター・丹沢晃之さんのプロフィール

誕生日 2月23日
出身 埼玉県
所属事務所 アイムエンタープライズ(日本ナレーション演技研究所卒業)
趣味 楽器演奏(ベース)、パソコン、プロレス観戦

丹沢晃之さんは、『東京喰種トーキョーグール』の吉田カズオ役や『クレヨンしんちゃん』の複数キャラクターなど、幅広いアニメ作品で活躍する男性声優です。体格の大きいキャラクターを演じることが多く、落ち着きと重厚感のある声質が持ち味です。

本作のような視点人物が次々と入れ替わる構成の作品では、公安警察官としての緊張感や、事件に翻弄される人々の焦燥感を、丁寧に読み分ける表現力が求められます。丹沢さんの重厚な声が、真相が反転するたびに変わっていく物語の緊迫感を、聴き手にしっかりと伝えてくれます。

よくある質問

Q. 『たとえば孤独という名の嘘』はどんな作品ですか?

公安警察官・佐島が巻き込まれる殺人事件と中国スパイをめぐる謎を、視点人物の異なる全5話で描く誉田哲也さんの警察×スパイミステリーです。

Q. 〈姫川玲子〉シリーズや〈ジウ〉サーガを読んでいなくても楽しめますか?

はい。本作はノンシリーズの一冊完結作なので、誉田作品が初めての方でも問題なく楽しめます。

Q. 「ながら読書」向きの作品ですか?

全5話の連作短編形式で視点人物ごとに区切りがはっきりしているため、通勤や休憩中に1話ずつ聴き進めやすい作品です。

Q. Audible版のナレーターは誰ですか?

声優の丹沢晃之さんが朗読を担当しています。

まとめ

『たとえば孤独という名の嘘』は、1話ごとに真相が反転する巧みな構成で読者を翻弄する、誉田哲也さんの新境地。丹沢晃之さんの重厚な朗読が、公安とスパイをめぐる緊迫した物語の世界へと引き込んでくれます。ぜひ「ながら読書」でその慟哭の真相に触れてみてください。

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