『職業としての小説家』あらすじと感想|村上春樹自身が語る創作論をAudibleナレーター小澤征悦さんの朗読で聴く
著者:村上春樹/ナレーター:小澤征悦/出版社:新潮社(Audible版:Audible Studios)
こんにちは、ひよりです。今回ご紹介するのは、村上春樹さんの自伝的エッセイ『職業としての小説家』。
あの村上春樹さんが、自身のデビューの経緯や創作の方法、文学賞への考え方などを、講演のような語り口で率直に綴った一冊です。
小説とは少し違う読み心地なので聴きやすく、村上作品初心者の方にもおすすめしたい一冊です。
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職業としての小説家
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『職業としての小説家』の内容
本書は、村上春樹さんが自身の半生と創作の方法論を、まるで読者に語りかけるような「です・ます」調で綴った自伝的エッセイです。雑誌『MONKEY』での連載や講演原稿をもとに、大幅な書き下ろしを加えてまとめられました。
「小説家は寛容な人種なのか」という問いかけから始まり、小説家になった頃の逸話、文学賞についての考え方、オリジナリティとは何か、長編小説をどう書き進めるのか、そして海外に作品を送り出していった経緯まで、全12章にわたって具体的なエピソードを交えながら語られます。デビュー作『風の歌を聴け』を書いていた頃の話や、恩人である心理学者・河合隼雄さんとの思い出も収められています。
小説作品とは異なり、村上さん自身の「素顔」に近い言葉で綴られているのが本書の特徴。フィクションの向こう側にいる作家その人の考え方に触れられる、貴重な一冊です。
ひよりの感想
正直に言うと、村上作品は長編小説の独特な世界観に少し身構えてしまうタイプの読者なのですが、このエッセイは驚くほどすんなり耳に入ってきました。講演口調で書かれているからか、まるで隣で話を聞かせてもらっているような感覚で、家事をしながらでも自然と聴き進められます。
特に印象に残ったのは、小説を書くという行為について「ずいぶん鈍臭い作業」だと語っている部分。世界的な作家が、華やかさとは真逆の、地道でロー・ギアな作業として創作を捉えているという事実に、なんだかほっとするような気持ちになりました。文章を書くことに対して身構えていた自分の肩の力も、少し抜けたような気がします。
文学賞についての章では、周囲から「残念でしたね」「来年こそは」と言われることへの村上さんなりの戸惑いが率直に語られていて、思わずクスッとしてしまう場面も。小説家としての厳しい姿勢と、どこか飄々としたユーモアが同居しているところが、本書全体の心地よさにつながっているように感じました。
ながら読書ポイント
各章が独立したテーマで構成されているので、区切りのいいところで一時停止しやすいのが「ながら読書」向き。物語ではなくエッセイなので、聴き逃した部分があっても内容を追いやすいのも嬉しいポイントです。
著者・村上春樹さんのプロフィール
| 生年 | 1949年生まれ |
| 出身 | 京都府 |
| 職業 | 小説家・翻訳家 |
| 代表作 | 『風の歌を聴け』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』など |
| 翻訳書 | J.D.サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』、トルーマン・カポーティ『ティファニーで朝食を』など多数 |
村上春樹さんは、1979年に『風の歌を聴け』でデビューして以来、日本を代表する小説家として活躍を続けています。長編・短編を問わず数多くの作品を発表する一方で、海外文学の翻訳者としても精力的に活動しており、その作品世界は50以上の言語に翻訳され、世界中に多くの読者を持っています。
『職業としての小説家』は、そんな村上さんが自身の創作について語った珍しい一冊。普段は自作について多くを語らないイメージのある作家が、デビューのきっかけから長編小説の書き方まで丁寧に言葉にしていることもあり、刊行時には大きな話題となりました。村上作品のファンはもちろん、「物を書く」という行為に関心のあるすべての人にとって、示唆に富む内容になっています。
ナレーター・小澤征悦さんのプロフィール
| 生年月日 | 1974年6月6日 |
| 出身 | アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ |
| 所属事務所 | TOM company |
| デビュー | 1998年、NHK大河ドラマ『徳川慶喜』の沖田総司役で俳優デビュー |
| 趣味 | バスケットボール、読書 |
小澤征悦さんは、世界的指揮者・小澤征爾さんを父に持つ俳優で、1998年の大河ドラマデビュー以来、映画・ドラマの両方で数多くの作品に出演してきたベテランです。『るろうに剣心』シリーズや『キングダム2 遥かなる大地へ』、『キングスマン:ファースト・エージェント』など話題作にも出演し、バイプレイヤーとして高い評価を受けています。
読書を趣味に挙げていることもあり、朗読には落ち着いた知性を感じさせる声のトーンが活かされています。『職業としての小説家』のような、語りかけるような講演口調のエッセイとは特に相性が良く、村上さんの言葉が持つ誠実さや、時折見せるユーモアのニュアンスまで丁寧にすくい取って届けてくれる朗読です。
よくある質問
Q. 『職業としての小説家』はどんな本ですか?
村上春樹さん自身が、デビューの経緯や創作の方法、文学賞への考え方などを講演のような語り口で綴った自伝的エッセイです。
Q. 村上春樹さんの小説を読んだことがなくても楽しめますか?
はい。作品そのものの解説というより、創作全般についての考え方が語られているため、村上作品を未読の方でも興味深く聴ける内容です。
Q. 「ながら読書」向きの作品ですか?
各章が独立したテーマで構成されているため、区切りのいいところで聴き止めやすく、家事や通勤の合間にもおすすめです。
Q. Audible版のナレーターは誰ですか?
俳優の小澤征悦さんが朗読を担当しています。
まとめ
『職業としての小説家』は、世界的作家・村上春樹さんが自身の言葉で創作の裏側を語る貴重な一冊。小説を書く人はもちろん、「物を書く」ことに関心のあるすべての人にとって発見のある内容です。小澤征悦さんの落ち着いた朗読とともに、ぜひ「ながら読書」で味わってみてください。


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