夜明けのすべて あらすじ

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『夜明けのすべて』あらすじと感想|本屋大賞受賞後第一作をAudibleナレーター松井暁波さん・吉野貴大さんの朗読で聴く

著者:瀬尾まいこ/ナレーター:松井暁波・吉野貴大/出版社:水鈴社(Audible版:Audible Studios)

こんにちは、ひよりです。今回ご紹介するのは、瀬尾まいこさんの『夜明けのすべて』。
『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞した瀬尾さんの、受賞後第一作となる長編小説です。
PMSとパニック障害という、それぞれ生きづらさを抱える二人の物語に、通勤中に聴いていたはずが思わず立ち止まってしまう瞬間が何度もありました。
松井暁波さん・吉野貴大さんお二人の朗読とあわせて、じっくりレビューしていきます。

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夜明けのすべて

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『夜明けのすべて』のあらすじ

月に一度、PMS(月経前症候群)によるイライラが抑えられない藤沢美紗は、職場の人たちの理解に助けられながら日々を過ごしています。そんな彼女がある日、転職してきたばかりでやる気がないように見える同僚・山添孝俊に、つい強く当たってしまいます。

山添はパニック障害を患い、生きがいも気力も失っていました。友情も恋も感じているわけではないけれど、どちらもおせっかいな性格の二人は、自分自身の病気は治せなくても、相手を助けることならできるのではないかと思うようになっていきます。互いの事情と孤独を知り、友達でも恋人でもない「同志」のような関係を少しずつ築いていく二人。理解されにくい苦しみを抱えながらも、周囲の大人たちに見守られ、少しずつ希望を見出していく姿を描いた物語です。

2019年に『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞した瀬尾まいこさんが、渾身の書き下ろしとして発表した本屋大賞受賞後第一作。2024年には松村北斗さん・上白石萌音さん主演で映画化もされ、大きな話題を呼びました。

ひよりの感想

正直に言うと、序盤の美紗が山添にきつく当たってしまう場面では、少し身につまされる思いがしました。誰しも自分ではコントロールしきれない事情を抱えているのに、それが周囲から見えにくいがゆえに誤解されてしまう——そんな理不尽さが丁寧に描かれていて、通勤中に聴いていても、思わず足を止めて考え込んでしまう瞬間が何度もありました。

印象的だったのは、美紗が山添のために勝手に美容院代わりに髪を切ってしまうエピソード。深刻になりすぎず、ときにコミカルなやり取りを挟みながら二人の関係が育っていく描き方に、思わず頬が緩む瞬間もたくさんありました。深刻なテーマを扱いながらも、決して重苦しいだけの物語になっていないのが、この作品の大きな魅力だと感じます。

「夜明けの直前が、一番暗い」という言葉の通り、二人が抱える苦しみは決して簡単に解決するわけではありません。それでも、周囲の理解ある大人たちに見守られながら、少しずつ光を見出していく過程には、静かな勇気をもらえました。生きづらさを抱えるすべての人に寄り添うような、温かい読後感の一冊です。

ながら読書ポイント

美紗と山添、二人の視点が交互に語られる構成なので、章の区切りで一時停止しやすく、通勤中や休憩中の「ながら読書」にぴったりです。テンポよく読み進められる一冊です。

著者・瀬尾まいこさんのプロフィール

生年 1974年生まれ
出身 大阪府
出身大学 大谷女子大学国文科
デビュー 2001年「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年単行本『卵の緒』でデビュー
主な受賞歴 第26回吉川英治文学新人賞(『幸福な食卓』)/第24回坪田譲治文学賞(『戸村飯店 青春100連発』)/第16回本屋大賞(『そして、バトンは渡された』)
主な作品 『卵の緒』『幸福な食卓』『図書館の神様』『戸村飯店 青春100連発』『そして、バトンは渡された』『夜明けのすべて』『私たちの世代は』など

瀬尾まいこさんは、2001年に「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年デビューした大阪府出身の作家です。2019年には『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞し、同作は映画も大ヒットを記録しました。

『夜明けのすべて』は、瀬尾さん自身が数年前に突然パニック障害を発症した経験がきっかけとなって生まれた作品だといいます。刊行にあたって瀬尾さんは「人生は想像より厳しくて、暗闇はそこら中に転がっている。でも、夜明けの向こうにある光を引っ張ってきてくれるものも、そこら中にきっとある」という言葉を寄せています。当事者としてのリアリティと、瀬尾さんらしい温かなユーモアが同居する、本屋大賞受賞後第一作にふさわしい一冊です。

ナレーター・松井暁波さん、吉野貴大さんのプロフィール

松井暁波さん 1991年9月15日生まれ/東京都出身/ケンユウオフィス所属(日本女子大学理学部数物科学科卒)
吉野貴大さん 8月29日生まれ/大阪府豊中市出身/ケンユウオフィス所属(龍谷大学文学部日本語日本文学科卒)

松井暁波さんは、母が声優の鷹森淑乃さんという声優一家に育ち、『呪術廻戦』や『艦隊これくしょん』などに出演する女性声優です。日本女子大学で数学を専攻していたという理系の一面も持ち、繊細さと芯の強さを併せ持った演技が持ち味。本作では、感情のコントロールに苦しみながらもおせっかいな一面を持つ美紗の心情を、丁寧に表現しています。

吉野貴大さんは、『呪術廻戦』や『彼女、お借りします』などに出演する男性声優で、当ブログでも花まんまや婚活マエストロなど複数の作品でおなじみの朗読者です。落ち着いた声質と抑制の効いた演技力で、生きがいを失った山添の静かな苦しみと、少しずつ変化していく心情を繊細に描き出しています。

美紗と山添、それぞれの視点が交互に描かれる本作において、お二人の朗読の掛け合いが物語の温かさと切なさを丁寧に伝えてくれます。

よくある質問

Q. 『夜明けのすべて』はどんな作品ですか?

PMSに苦しむ美紗と、パニック障害を抱える山添が、互いの生きづらさを知り、友達でも恋人でもない関係を育んでいく瀬尾まいこさんの長編小説です。

Q. 重いテーマの作品ですか?

PMSやパニック障害という深刻なテーマを扱いながらも、コミカルなやり取りや温かい人間関係が丁寧に描かれており、読後感は決して重すぎるものではありません。

Q. 「ながら読書」向きの作品ですか?

美紗と山添、二人の視点が交互に語られる構成のため区切りが分かりやすく、通勤中や休憩中の「ながら読書」に向いています。

Q. Audible版のナレーターは誰ですか?

声優の松井暁波さんと吉野貴大さんが朗読を担当しています。

まとめ

『夜明けのすべて』は、それぞれの生きづらさを抱える二人が、互いを支え合いながら光を見出していく瀬尾まいこさんの温かな一冊。松井暁波さんと吉野貴大さんの朗読が、二人の心の揺らぎを丁寧に届けてくれます。ぜひ「ながら読書」でその優しさに触れてみてください。

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