マカン・マラン・二十三時の夜食カフェ あらすじ

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『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』あらすじと感想|シリーズ第1作をAudibleナレーター沢井真知さん・高城亨さんの朗読で聴く

著者:古内一絵/ナレーター:沢井真知・高城亨/出版社:中央公論新社(Audible版:Audible Studios)

こんにちは、ひよりです。今回ご紹介するのは、古内一絵さんの『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』。
深夜にひっそりと開く夜食カフェを舞台に、悩める人々の再生を描く人気シリーズの第1作です。
店主のシャールが振る舞う料理の描写があまりに美味しそうで、聴いているとお腹が空いてくる、そんな心温まる物語でした。
沢井真知さん・高城亨さんお二人の朗読とあわせて、じっくりレビューしていきます。

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マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ

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『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』のあらすじ

下町商店街の外れの路地裏。門に灯されたカンテラの奥にひっそりと佇む古民家に、深夜だけ営業する夜食カフェ「マカン・マラン」があります。「マカン」はインドネシア語で食事、「マラン」は夜を意味し、合わせて「夜食」という意味に。店主は、元エリートサラリーマンにして今はド派手なドラァグクイーンのシャール(御厨清純)です。

早期退職者候補になってしまった仕事一筋の40代キャリア女性・城之崎塔子には「春のキャセロール」を。手料理を食べなくなってしまった中学生男子・三ツ橋璃久には「金のお米パン」を。仕事に夢を見られない20代のライター・安武さくらには「世界で一番女王なサラダ」を。そして病に倒れたシャール自身のために、彼女に助けられた人々が持ち寄った食材で作る「大晦日のアドベントスープ」を——。全4話それぞれの主人公が抱える悩みに、シャールの料理と言葉がそっと寄り添っていきます。

著者の古内一絵さんはインタビューで「小説や物語のあるものは、今うまくいっていない人のためにあるものではないか」と語っており、本作にもその想いが色濃く反映されています。人生に行き詰まりを感じたとき、そっと逃げ込める「隠れ家」を描いた本シリーズは、続編も含めて多くの読者に愛されています。

ひよりの感想

正直に言うと、「店主がドラァグクイーン」という設定に惹かれて聴き始めたのですが、読み進めるうちにそんな設定はすっかり気にならなくなり、シャールという一人の人物の懐の深さに引き込まれていきました。料理の描写があまりに丁寧で美味しそうなので、聴いているだけでお腹が空いてくるのも本作の楽しいポイントです。

特に印象に残ったのは第三話「世界で一番女王なサラダ」。空っぽな自分に悩むライターのさくらに、シャールが「足りない、空っぽだ、と嘆くよりも、自分が持っているものを伸ばしたり、広げたり、ほかから取り入れたりして埋めればいい」と語る場面には、思わずハッとさせられました。直接的なアドバイスではなく、料理と何気ない言葉でそっと背中を押すシャールのスタンスが、本作全体の優しさの核になっています。

4話それぞれに厚みのある人間ドラマが描かれていて、読後は自分もこの店の常連になりたいという気持ちにさせられました。疲れた心にじんわりと沁みる、優しい読後感の一冊です。

ながら読書ポイント

全4話の連作短編集なので、休憩中や移動中に1話ずつ聴き進めやすい構成です。料理の描写が多いので、食事の前後に聴くと想像力がふくらんでより楽しめます。

著者・古内一絵さんのプロフィール

生年 1966年生まれ
出身 東京都
出身大学 日本大学芸術学部映画学科
前職 映画会社(大映・角川映画)勤務。中国語翻訳家としても活動
デビュー 2010年「銀色のマーメイド」で第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、2011年『快晴フライング』としてデビュー(45歳)
主な受賞歴 第6回JBBY賞・文学小説部門(『フラダン』)
主な作品 『快晴フライング』『風の向こうへ駆け抜けろ』『フラダン』『キネマトグラフィカ』「マカン・マラン」シリーズ『百年の子』『東京ハイダウェイ』など

古内一絵さんは、映画会社勤務や中国語翻訳家としてのキャリアを経て、45歳で作家デビューという遅咲きの経歴を持つ作家です。会社員時代の20年間の経験が、いま小説を書くうえでの下支えになっていると自身も語っています。

古内さんが小説を書く際に一貫して裏テーマとしているのが、ジェンダーとマイノリティ。男女雇用機会均等法施行後の第一世代として、映画業界で女性の営業職という珍しい立場を経験してきたことも、生きづらさを抱える人々を描き続ける原動力になっているといいます。「マカン・マラン」シリーズは、そうした古内さんらしいテーマが凝縮された代表作の一つで、続編も含めシリーズ累計で長く愛されています。

ナレーター・沢井真知さん、高城亨さんのプロフィール

沢井真知さんと高城亨さんは、Audibleでオーディオブックのナレーションを手がける朗読者です。本作のように複数の登場人物の視点が入れ替わる連作短編集において、それぞれの人物の心情を丁寧に読み分ける表現力が持ち味です。

沢井真知さんは、シャールの持つ包容力や、店主としての凛とした佇まいを、落ち着いた語り口で表現しています。高城亨さんは、悩みを抱えて店を訪れる客たちの焦りや戸惑い、そして料理を通して少しずつ前を向いていく心境の変化を、聴き手に自然に伝わるテンポで読み進めています。お二人の朗読が織りなす掛け合いが、夜食カフェという舞台の温かな空気感をより一層引き立てています。

よくある質問

Q. 『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』はどんな作品ですか?

深夜にひっそりと開く夜食カフェを舞台に、店主のドラァグクイーン・シャールが悩める客たちを料理でもてなす連作短編集です。人気シリーズの第1作にあたります。

Q. シリーズはこの作品だけで完結していますか?

いいえ。『女王さまの夜食カフェ マカン・マラン ふたたび』など続編が複数刊行されている人気シリーズの1作目です。

Q. 「ながら読書」向きの作品ですか?

全4話の連作短編集で、休憩中や移動中に1話ずつ聴き進めやすい構成です。料理の描写が豊富なので、食事の前後に聴くのもおすすめです。

Q. Audible版のナレーターは誰ですか?

沢井真知さんと高城亨さんが朗読を担当しています。

まとめ

『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』は、深夜の夜食カフェを舞台に、悩める人々の再生をあたたかく描く古内一絵さんの人気シリーズ第1作。沢井真知さんと高城亨さんの朗読が、シャールと客たちのやり取りをじんわりと届けてくれます。ぜひ「ながら読書」でその優しさに触れてみてください。

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