『ファラオの密室』あらすじと感想|『このミステリーがすごい!』大賞受賞作をAudibleナレーター一玖真優さんの朗読で聴く
著者:白川尚史/ナレーター:一玖真優/出版社:宝島社(Audible版:MediaDo)
こんにちは、ひよりです。今回ご紹介するのは、白川尚史さんの『ファラオの密室』。
第22回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞を受賞した、古代エジプトを舞台にした本格ミステリーです。
「ミイラが探偵役を務める」という前代未聞の設定に、休憩中に聴いていたつもりが、続きが気になって手が止まらない時間が続きました。
ナレーターの一玖真優さんの朗読とあわせて、じっくりレビューしていきます。
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ファラオの密室
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『ファラオの密室』のあらすじ
紀元前1300年代後半、古代エジプト。上級神官書記のセティは、王墓の壁に文字を刻んでいた最中に崩落事故に巻き込まれて命を落とし、ミイラとして冥界に送られます。しかし心臓の一部が欠けているために冥界の審判を受けることができず、欠けた心臓と失われた記憶を取り戻すため、3日間だけ現世へと舞い戻ることになります。
自らが死んだ真相を探るセティでしたが、そんな折、棺に納められていた先王のミイラが、密室状態であったピラミッドの玄室から忽然と消失し、外の大神殿で発見されるという事件が発覚します。唯一神アテン以外の信仰を禁じた先王の葬儀が失敗したとなれば、エジプト全土を揺るがす危機に繋がりかねません。刻々と迫るタイムリミットの中、セティは幼馴染のミイラ職人タレクや、奴隷の少女カリと共に、自らの死の真相とミイラ消失事件、二つの謎の解明に挑みます。
著者の白川尚史さんにとってデビュー作となる本作は、2024年、第22回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞を受賞。古代エジプトの信仰や文化を丁寧に織り込みながら展開する本格ミステリーとして、大きな話題となりました。
ひよりの感想
正直に言うと、「ミイラが蘇って探偵役を務める」というあらすじを聞いた時点では、どうやってミステリーとして成立するのだろうかと半信半疑でした。ですが、休憩中に聴き始めてすぐ、古代エジプトの信仰や死生観を土台にした世界観にすっかり引き込まれ、気づけばセティやカリと一緒にエジプトの町を駆け回っているような感覚になっていました。
本作の魅力は、単なる異世界ファンタジーに終わらず、密室からミイラが消えたトリックを本格ミステリーとして丁寧に描き切っているところです。誰が味方で誰が敵なのか、疑心暗鬼になりながら聴き進める展開は、休憩中に聴いていても続きが気になって手が止まらなくなるほどでした。
そして何より、セティと疎遠だった父親との関係や、奴隷の少女カリとの絆が丁寧に描かれていることで、謎解きだけでは終わらない深い感動が待っています。エンジニアや投資家として活躍してきた著者が、これほどまでに緻密で情感豊かな物語を書き上げたことに驚かされる、読み応えのある一冊でした。
ながら読書ポイント
3日間というタイムリミットの中で謎解きが進む構成なので、緊張感を保ったまま聴き進められます。古代エジプトの文化や信仰についての説明も丁寧なので、予備知識がなくても安心して楽しめる作品です。
著者・白川尚史さんのプロフィール
| 本業 | マネックスグループ取締役兼執行役。エンジニア・起業家・上場企業役員としての経歴を持つ |
| デビュー | 2024年、応募時タイトル「ミイラの仮面と欠けのある心臓」で第22回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞を受賞し、『ファラオの密室』としてデビュー |
| 主な作品 | 『ファラオの密室』 |
白川尚史さんは、スーパーエンジニア・起業家・上場企業役員という異色の経歴を持つ作家です。マネックスグループの取締役兼執行役を務める傍ら小説を執筆し、デビュー作『ファラオの密室』でいきなり『このミステリーがすごい!』大賞・大賞を受賞するという快挙を成し遂げました。
帯には「本人自身がミステリーのような白川氏の想像力」と評されるほど、投資家・経営者としての顔とミステリー作家としての顔、両方を持つ稀有な存在です。古代エジプトの歴史や信仰について深い知識を持ち、フィクションと史実のバランスを絶妙に織り交ぜる筆致で、選考委員からも高く評価されました。次回作にも大きな期待が寄せられています。
ナレーター・一玖真優さんのプロフィール
一玖真優さんは、Audibleでオーディオブックの朗読を手がけるナレーターです。本作のように、古代エジプトという異世界的な舞台設定と、緊迫感のある謎解きが同居する物語において、聴き手を自然に世界観へ引き込む丁寧な語り口が持ち味です。
ミイラとして蘇ったセティの戸惑いや葛藤、そしてタイムリミットが迫る緊張感を、聴き取りやすいテンポで表現しており、古代エジプトの独特な世界観に予備知識がない聴き手でも、物語にすんなりと入り込めるよう丁寧に読み進めています。
よくある質問
Q. 『ファラオの密室』はどんな作品ですか?
ミイラとして蘇った神官セティが、自らの死の真相と、密室状態のピラミッドから消えた先王のミイラの謎を追う、古代エジプトを舞台にした本格ミステリーです。第22回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞を受賞しました。
Q. ファンタジー要素が強くてミステリーとして楽しめないのでは?
ミイラが蘇るという設定こそファンタジックですが、密室からの消失トリックなど本格ミステリーとしての謎解きもしっかり描かれており、両方の魅力を楽しめる作品です。
Q. 「ながら読書」向きの作品ですか?
3日間というタイムリミットの中で物語が進む構成のため緊張感を保ちやすく、休憩中や移動中の「ながら読書」にもおすすめです。
Q. Audible版のナレーターは誰ですか?
一玖真優さんが朗読を担当しています。
まとめ
『ファラオの密室』は、古代エジプトの信仰と本格ミステリーの謎解きが見事に融合した、白川尚史さんの衝撃のデビュー作。一玖真優さんの丁寧な朗読が、セティとカリの奔走する姿を鮮やかに届けてくれます。ぜひ「ながら読書」で、その斬新な世界観を体験してみてください。


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